スタートアップ「Origami 」は生き残れるのか?

スタートアップ「Origami 」

日本のQR決済を7年前の2012年2月から事業として行ってきた「Origami 」、使用できる店舗も10万店舗に達しています。期待のスタートアップとして順調にQR決済の規模を拡大してきました。

 

QR決済の戦争

しかし、2018年のPayPay 100億円キャンペーンから様子が変わってきました。

ソフトバンクグループのPayPay 、LINEのLINEPayと相次いで20%還元セールを実行し、3月からはドコモのd払いも実質20%還元セールを実行しています。

当然、次は楽天楽天Pay が仕掛けてくるはずです。

 

QR決済は先行投資

何処もQR決済の覇者になる為に、先行投資として「赤字(損失)」をキャンペーンで垂れ流ししています。実際LINEの2018年12月度の最終赤字は37億1800万の赤字でした。2019年度も戦略投資を600億円投資すると決算会見で発表しています。これからもますます、シェア拡大の投資(還元?)が行われます。

 

QR決済の覇者

先行投資している各社はQR決済事業に関しては赤字です。では、なぜ先行投資するのか?

勿論理由があります。

①最終決済をクレジットカードや電子マネーから奪う

②最終決済情報なので、個人が何処でないを買った。更にどんな物が好みであるかなどの情報を集める事ができる

③その人のニーズを先読みしてサービスを提案できるようになる。

 

2018年度の日本のQR決済使用者は512万人でしたが、2021年には3.6倍の1880万人になる予定です。この個人情報を取得したい為に、先行投資しています。

更に、2019年10月から消費税が10%に上がります。政府はキャッシュレス化の推進も兼ねて10月から9か月間、中小の店舗でキャッシュレスで買い物をすると、購入額に応じて原則5%のポイントが還元される予定です。

その際の簡単なキャッシュレス導入がQR決済アプリになり得ます。

 

Origami は先行投資できる

他の大手QR決済は、利益を出している事業があり、その利益をを先行投資にまわしています。Origami はQR決済の会社なので、決済でしか利益を得ないので、どうしても先行投資の規模が他に比べて小さくなります。

 

Origami の資金状況

2013年1月 KDDI Open Innovation Fund デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム から5億円
2015年3月 ソフトバンククレディセゾン個人投資家から16億円

2018年9月 SBIインベストメント、トヨタファイナンス信金中央金庫銀聯国際などから過去最高66.6億円調達。

累計88億円資金調達しております。ただ、他のQR決済に比べると見劣りします。

 

Origami の生き残り方法

Origami は銀聯国際と資本業務提し、海外でも使用できるようにしたり、銀行・クレジットカードと 提携を拡大していますが、最後は大きな資本に吸収される可能性が高いです。

候補①au

ラウンドAでKDDIが資金を提供、初期段階から関わりがあるauQR決済で出遅れている為。

候補②銀聯国際

中国大手の銀聯国際とは、2018年9月に資本提携済み。銀聯国際の日本市場の更なる進出。豊富な資本が魅力

候補③ソフトバンク

ラウンドBから資本参加。豊富な資金で最後は取り込まれる。

 

2019年はQR決済元年と言われていますが、中国のキャッシュレス決済と同じように、日本でも先行投資後に覇権を握る2・3社が早期に決まる事を希望します。