paytm(ペイティーエム)インドのモバイル決済

paytm(ペイティーエム)

ソフトバンクグループのQR決済paypayに技術提供し連携しているインドのpaytm(ペイティーエム)は3億人のアプリ登録を有する決済銀行です。

名前は「Pay Through Mobile(モバイルを通じて支払う)」の略語からきています。親会社はOne97 で中国のアリババを参考に2010年にpaytm を作りました。創業者はVijay Shekhar Sharma氏、2010年にはPayTmの親会社となるOne97を創業し、インターネットコンテンツ、広告、Eコマースを主軸に事業を始めています。

アリババとの関係も深く、2015年3月にアリババグループの金融子会社「アント・フィナンシャル」が戦略的合意の一部としてOne97の株式の25%を取得した後、Paytmはアリババグループから5億7500万ドルの出資を受けています。

その後2017年5月にソフトバンクが14億出資し株式の20%取得しました。ソフトバンクはアリババの発行済み株式の30%を保有していますので、影響力が非常に大きいですが。paypayの技術協力も頷けます。

2018年8月には投資の神様ウォーレンバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイがONE97の株式3〜4%を所得し企業価値が100億ドルを超えました。

 

インド高額紙幣廃止と決済銀行

2015年にインドの最初の決済銀行「Paytm Payments Bank Limited」のライセンスを獲得し、paytmユーザーにキャッシュレス経済の基盤を作りました。

2016年インドで高額紙幣廃止になり、電子マネー利用者が増え、ユーザーが更に拡大しています。実際2016年11月のPayTmのダウンロード数は通常の2倍になっており、アクセス数は通常の4倍以上となりました。

 

ライバル

paytmのライバルはMobiKwikです。MobiKwikは2009年に設立されたインドの会社で携帯電話ベースの支払いシステムとデジタルウォレットを提供しています。MobiKwikも2015年にシンガポールの投資会社であるTree Line Asiaと米国のセコイアキャピタルや米国のテクノロジー企業シスコシステムズと金融サービス会社American Expressから3100万米ドルを調達しました。 2016年4月日本のGMO半導体企業 Mediatek から5000万ドル調達、更に報道で2017年6月Mobikwikが非公開投資家から10億ドルの評価額で1億5000万ドルを調達したと報道しています。

 

アリババの模倣

Paytmはデジタルウォレットで買い物ができるマーケットプレイス「PayTm Mall」や、ファイナンスや保険などの金融サービス「PayTm Bank」を始めています。デジタルウォレットのユーザーに、ショッピングや金融サービスを提供し、まさにアリババをなぞったサービスの拡大です。

2016年時点のインドの電子決済取引数では「クレジットカード/デビットカード」40%の次で26%の2位に位置付けています。高額紙幣廃止後は更に取引数が拡大しているはずです。人口の増加とともに、まだまだ大きくなります。株式は公開されていませんが、「アリババ」「ソフトバンクグループ」に投資することにより、間接的に投資できます。12月株式公開予定の「ソフトバンク」は携帯だけなので、間違わないで下さい。